歯周病治療
歯周病は歯周病菌が引き起こすお口の病気です。ここでは歯周病の原因と進行状態に応じた治療法を説明いたします。
歯周病とは何か?
歯周病とは、口の中に住む歯周病菌が歯の周り(歯周)の組織を侵し機能を失わせる恐ろしい病気です。
近年虫歯は減少傾向にあるものの歯周病は減少していません。また、歯を失う第一の原因は虫歯ではなく歯周病なのです。今日の日本では成人の70~80%が歯周病に罹患しています。歯周病は初期段階では自覚症状がないため、厄介な病気です。
歯周病になったら歯を抜かないといけない?
歯周病になってしまい、進行していると歯を抜いたほうがいいと言われることがあります。
一方、歯科クリニックのホームページには歯を抜きませんといったことを書いている医院もあります。その違いはなんでしょうか。
歯を残すのは大変なこと
まず、歯周病になってしまった場合に歯を残すというのは大変なことです。歯茎を切開し、歯石を削るためとても痛い治療になってしまいます。また歯茎を切るため予後もよくありません。またそこまでしたからといって必ずしも歯を残せるとは限らないのです。
さらに歯を残す治療をしている間に骨が溶けていってしまい、インプラントを入れることができなくなることもあります。そのため、抜歯を薦める先生はいらっしゃいます。
ご自身の健康のために最善の方法を
東海林歯科では患者さんの希望を聞きその希望をできる限りかなえる治療をおこなっていきます。
歯周病の進行状況、お口の状態は人それぞれです。まずはお口を診察させていただき、状況に合わせて可能な選択肢をひとつづつご説明します。
安易に歯を抜くからこの先生はだめ、というのではなく歯を残すメリットとデメリット、歯を抜くメリットとデメリットをしっかり伝えてくれる歯科医師がいいのではないでしょうか。
歯周病の主な症状
- 歯を磨くと出血することがある。
- 歯ぐきがむずがゆい。
- 朝起きたときなどに口の中がネバネバする。
- 冷たいものがしみる。
- 歯ぐきが時々はれる。
- 口臭がある,あるいは人からそう言われたことがある。
- 歯の間に食べ物が挟まりやすい。
- 歯ぐきが赤くはれぼったい。
- 歯ぐきから膿が出てくる。
- 歯が浮いた感じがする。
- 以前と比べると歯が伸びたように感じる。
- 以前と比べると(若い頃と比べると)歯並びが悪くなった。
歯周病の原因
複合的な原因で歯周病になります。歯周病を誘発する原因は口腔内の細菌(歯周病菌)です。口の中も腸と同じで、数百種類(300~500種類)の細菌がいます。
歯周病は免疫力により抑えられており、身体全体の免疫力が強ければ歯周病菌は活発に働かないため歯周病にはなりません。唾液にも歯周病菌を抑える力がありますので、唾液の量が少ない人は歯周病のリスクが高まります。過度のストレス、糖尿病、喫煙、食生活の乱れ、なども歯周病のリスクを高くする要因です。
当院では位相差顕微鏡を使用し、患者さんご自身の目でご自身の中にいる菌の動きを見ていただくことができます。
位相差顕微鏡による歯周病検査
位相差顕微鏡検査で検査すると、歯周病菌やカビ菌がほとんどの患者様に見られます。
顕微鏡を使えば、動く細菌の様子をモニターで患者さんご自身が見られますので、治療についての説明もよりわかりやすく、納得したうえで治療を受ける助けになると考えます。
位相差顕微鏡による細菌観察の一例(動画)
お口の中には細菌がたくさんいます。頭では分かっていても歯周病菌やカビ菌がうごめく画面を見るとかなりの衝撃です!
歯周病菌やカビ菌がいなくなると、口の中がサラサラに口臭もなくなり、爽快感が出てきます。歯周病菌が7日でほぼ絶滅できる治療法です。
治療前
治療中
治療後
薬で歯周病を治せる最新の歯周内科治療
細菌除去薬剤 | 口の中の歯周病菌やカビ菌を除去するための薬剤を服用していただきます。 |
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カビの除去剤・カビ取り歯磨き剤での歯磨き | 口の中のカビ菌除去のために、除去剤あるいはカビ取り歯磨き剤を使っての歯磨きを行っていただきます。 |
歯石の除去 | 歯周病は細菌による感染症ですから定期的に歯石を除去して口の中を清潔に保つことが大切です。また、再感染しないためにも、定期的に顕微鏡検査を受けることをお奨めします。 |
歯周病の状態と治療法
歯周病にはその進行度合いによって治療法が異なります。軽度、中等度、重度の3段階に分けて治療法を説明いたします。
1)軽度歯周病
病巣が歯茎とその周辺に留まり、歯槽骨までは達していない状態を「軽度歯周病」といいます。
自覚症状がないために見過ごす場合があります。精密検査で進行度と原因をはっきりさせた後、歯垢の除去と歯磨きの指導を行います。
2)中等度歯周病
病巣が歯槽骨にまで及び、歯のぐらつき、歯茎からの出血や膿が見られる状態です。
歯周ポケットも6mm以上に深くなっています。歯周ポケットの歯垢をしっかりと除去する治療を行います。
3)重度歯周病
病巣が歯槽骨の半分以上に及び、歯はぐらつき、膿がでる状態です。この段階では口臭もきつくなります。歯茎を切開手術しプラークを綺麗に除去します。
最悪の場合は抜歯することになります。
東海林歯科医院が実施している歯周病の主な治療方法
- 歯磨き・ブラッシング指導
- 顕微鏡下の歯石除去(スケーリング):超音波洗浄機によるクリーニング
- 歯周ポケット掻爬:LD15レーザーを使用
- 根面滑沢化:P-MAXプラスティックヘッドを使用
- 歯肉剥離掻爬術(PRT多血小板バイオテクニック)Mドゲン:人工骨動物性ではない物を使用
- GTR法 :LD15レーザー、人工骨+ゴアテックス膜+吸収性の膜+チタン膜
- GBR法
- ITIインプラント:GTR+LD15、人工骨+ゴアテックス膜+吸収性の膜+チタン膜
- MTM :部分矯正(LD15による骨誘導)
- 歯槽骨整形術 :レーザー
- 歯肉移植術 :血小板
- 小帯切除術 :LD15による、無縫合
歯周病のメインテナンスは大切
歯周病の治療を終えたといってもそのままでは安心はできません。歯科医院での定期的なメインテナンスをおすすめします。
歯周病の治療費
歯周病治療 | 1口腔あたり33,000円~(税込) 精密検査・拡大鏡を用いた手用または超音波スケーリング(歯面を傷つけない)・レーザー・イオン導入によるフッ素塗布・研磨 |
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エムドゲイン (エナメルマトリックスデリバティブ) |
1歯あたり : 55,000円(税込) |