武蔵小山駅から徒歩2分の歯医者「東海林歯科医院」の東海林です。
歯や口の健康を守るアイテムに、夜間に使用するマウスピースがあります。
マウスピースは歯科医院で作成することができます。
今回は、夜間のマウスピースについて、効果や特徴、使用方法を解説していきます。
目次
夜間のマウスピースとは
マウスピースには大きく分けて4つの種類があります。
- 歯ぎしり用マウスピース
- 顎関節治療用マウスピース
- 矯正用マウスピース
- スポーツ用マウスピース
この中で、夜間だけ装着するマウスピースは、歯ぎしり用マウスピースと顎関節用マウスピースになります。歯ぎしり用マウスピースはナイトガードとも言われ、顎関節用マウスピースはスプリントとも言われます。
夜間就寝中に装着することで、症状を改善、また予防します。
顎関節症は、様々な要因が重なって発症し、歯ぎしりが原因になっていることもあるため、両方の目的でマウスピースを装着することもあります。また同一の材料を使用することもあります。
今回はこれら2つのマウスピースについて解説していきます。
マウスピースの効果
夜間装着するマウスピースには次のような効果があります。
歯にかかる負担を軽減させる
歯ぎしりや食いしばりの癖は、想像以上に歯に強い力がかかっています。自分の体重の2倍〜5倍の力がかかっていると言われています。
マウスピースを装着することで歯にかかる負担を軽減させることができ、歯の擦り減りや欠けを予防します。
被せ物や詰め物を守る
特に奥歯には強い負担がかかりやすく、特定に歯に力が集中すると被せ物や詰め物が欠けたり割れたりすることがあります。
特にプラスチック製のものや、セラミック製のものは、強い力によって割れるリスクがあります。
顎関節の負担を軽減する
歯ぎしりや食いしばりは、顎関節に強い負荷がかかります。それにより顎の痛みや違和感を引き起こすことがあります。マウスピースを着用することで顎関節の負担を軽減することができます。
マウスピース使用の注意点
マウスピースを使用するにあたって、いくつかの注意点があります。
マウスピースを作製する前に確認しておきましょう。
装着時の違和感に慣れないことがある
マウスピースを装着するのは、口の中に異物が入るのと同じことです。初めは違和感に慣れないことがありますが、1週間程度装着すれば、次第に慣れてくることが多いです。
嘔吐反射がある場合は、慣れにくいことがあります。
薄いタイプのマウスピースを選択するなど、歯科医師と相談するようにしましょう。
使用により劣化する
マウスピースは、一度作ったらずっと使えるものではありません。
使用によってマウスピースの擦り減りなどの劣化が見られます。1年以上使用したら、マウスピースの状態により、作り替えを検討するのが良いでしょう。穴が空いてきていたら、確実に作り替えの時期になります。
保険適用に限度がある
マウスピースの作製は保険適用の範囲内で可能です。シンプルな歯ぎしり用マウスピースであれば、保険適用の3割負担で4,000円程度になります。
ただし、保険適用で作製できるのは半年に1回までです。半年経過する前に紛失したり、破損したりした場合には、自費治療になりますので注意しましょう。
マウスピースの種類
夜間に装着するマウスピースは、次の2種類の素材があります。
- ハードタイプ
- ソフトタイプ
それぞれの特徴は次の通りです。
ハードタイプマウスピースの特徴
レジンという固いプラスチック素材でできたマウスピースです。耐久性が高く、穴があきにくいのが特徴です。作製後も細かい調整が可能です。
素材が固いので、特に使い始めの時には装着時の違和感が強く出やすいです。
歯ぎしりや食いしばりが強い方、顎関節症の症状を緩和させたい方、予防したい方におすすめです。
ソフトタイプマウスピースの特徴
柔軟性のあるゴムのような素材です。指で曲げられるほど柔らかく、歯にしっかりフィットします。装着時の違和感が少ないので、初めてマウスピースを装着する方におすすめです。ただしハードタイプよりも耐久性が低く、強い歯ぎしりや食いしばりがある方は、穴があきやすいです。
また、中には弾力性がある素材がゆえに、かえってぐっと噛み締めてしまうという方が居ます。そのような方はハードタイプマウスピースの方が向いているでしょう。
マウスピースの厚み
ハードタイプ・ソフトタイプ共に、様々な厚みのものがあります。薄いものでは1mm、厚いものでは3mm程度まであります。
歯ぎしりや食いしばりの程度、噛み合わせの力の強さなど、違和感の感じ易さなどを考慮して厚みを決定します。
顎関節症用のマウスピースは、レジンを固めて、かなり厚いタイプのものを作製することもあります。
マウスピースの作製方法
マウスピースは上の歯列全体に被せる形で利用します。歯科医院で上の歯の型取りを行い、自分の形に合ったマウスピースを作製してもらいます。
顎関節症用のマウスピースでは、噛み合わせである下の歯の型取りが必要な場合もあります。
マウスピースが出来上がったら、マウスピースを口の中で合わせながら微調整をして完成です。
マウスピースの取り扱い方法
マウスピースは毎日夜中使うものなので、清掃などの管理が必要です。
取り扱い方法について説明していきます。
丁寧な歯磨きをした後に装着する
マウスピースは、上の歯列全体に被せるようにして装着します。
歯が汚れたままマウスピースを装着すると、マウスピースの内側で細菌が繁殖し、虫歯や歯周病の原因になります
夜、丁寧に歯磨きをした後、マウスピースを装着するようにしましょう。
h3装着後は軽く流水下で洗う
マウスピースを外した後は、指や柔らかいブラシを使って軽く擦り洗いをするようにしましょう。水道の流水下で良いです。
熱湯は変形の原因になりますので、絶対に使用してはいけません。
週1回程度は洗浄剤を使用する
週に1回程度は、マウスピース用洗浄剤を使用すると良いでしょう。
マウスピース洗浄剤は、ドラッグストアや歯科医院で取り扱っています。
製品によって使用方法が異なりますが、コップなどの容器に水を入れた後、タブレット状などになっている洗浄剤を入れ、マウスピースを一定時間浸けて利用します。
洗浄剤を使うことで、マウスピースをより衛生的に保つことができます。
風通しのよいところで保管する
マウスピースは基本的に風通しの良いところで保管します。
洗面台にそのまま置いたり、布巾やティッシュの上に置いたりすると、マウスピースは透明で目立たないので紛失してしまうことがあります。
通気口のあるマウスピースケースがおすすめです。外した後は、必ず専用のケースに入れるようにすると紛失防止になります。
顎関節症用のマウスピースは、素材によって、水中保管の方が良い場合もあるので、歯科医院で確認するようにしましょう。
まとめ
夜間のマウスピースは、歯ぎしりや食いしばりによる歯や顎の負担を軽減させるのに、効果的なアイテムです。
無意識で行っている歯ぎしりや食いしばりは、体重の2倍〜5倍の強い力がかかっていると言われています。マウスピースを装着することで、歯や口の健康を守ることにつながります。
マウスピースは歯科医院で作ることができます。
歯ぎしりや食いしばりの自覚がある方、CAD/CAM冠やセラミックの歯が入っている方、顎関節の痛みや違和感がある方は、夜間のマウスピースを検討するのも良いかもしれません。