虫歯は、歯磨きをきちんとしているつもりでも、日頃の疲れやストレスによって知らずにリスクを上げているということもあり注意が必要です。急に痛みが出始めたという場合にも、見た目ではわからない虫歯になっていたというケースが多く、かなり進行してしまっていることがあります。ここでは、そんな急な痛みを伴う虫歯の原因と予防方法について紹介していきましょう。
トンネル虫歯にご用心!急な虫歯の意外な原因
トンネル虫歯と聞いて、あまりピンとこないという人が多いでしょう。これは気づかない間に進行してしまい、自覚症状が出始める頃には神経にまで到達してしまうこともある虫歯です。
この虫歯が発生するメカニズムは、歯と歯の間に入り込んだ虫歯菌が、歯の上部ではなく側面から虫歯を形成していってしまうこと。ちょうどトンネルのように横穴を形成することからこの名前が付けられており、とても気づきにくい虫歯の一つです。
そしてある日、内部にできた空洞がつぶれて表面から穴が開き、虫歯による痛みが急に発生します。歯間から発生するため検診でも見逃されやすく、きちんと定期健診を受けていても異常なしと診断されてしまうこともしばしばです。
トンネル虫歯は入り口が見えにくく、進行中でもほとんど自覚症状が出ない(時々しみる程度)ので、目視だけでの検診の場合はスルーされてしまうのです。
トンネル虫歯の早期発見と、その対処方法とは?
セルフケアをしっかりしているつもりでも、トンネル虫歯は気づきにくいもの。では、どのようにすれば発見しやすくなるでしょうか?
健診の際には目視によるチェックだけでは十分ではない場合があるので、確実に発見したい時にはレントゲンによる検査が最も有効です。専門家でもわかりにくいトンネル虫歯も、レントゲンならほぼ100%発見できます。
既に進行している状態であれば、治療をすぐに開始しなければなりません。しかもその際には通常の治療と同じく歯の上部を削って治療していかなければならず、比較的大規模な虫歯治療になることを念頭に置いておきましょう。
セルフケアでは、歯と歯の間に挟まった食べカスが原因になるため、デンタルフロスを使用していくのが良いです。加えて就寝前の飲食は控え、歯と歯の接触部分に対して虫歯の原因になる余計な糖質を与えないようにしましょう。こうすることによって、トンネル虫歯の原因を大きく減らすことができます。
健康な歯にも起こり得る、激痛を伴う歯髄炎
歯髄炎は歯の髄(中央)に起こる炎症で、激痛が伴います。何らかの原因で歯髄が圧迫され、血流によって神経が直接刺激されることにより、激痛が走るようになります。
ほとんどの場合は抜髄しなければならないことが多く、最悪の場合は抜歯もあり得ます。軽度の場合は鎮痛消炎治療で歯を残すことができますが、詰め物や被せ物をするケースが多いでしょう。
歯髄炎の多くは、虫歯によって虫歯菌が歯髄に到達することにより引き起こされます。通常の虫歯以外にも歯周炎が歯髄にまで達してしまった場合や、歯ぎしり・食いしばりなどの外的な刺激によっても発症することがあります。そのため、虫歯が無い場合でも急な歯の痛みを引き起こす可能性があるのです。
痛みが出てしまってからは早期治療が必要です。緊急で痛みを軽減する方法としては鎮痛剤の服用や、氷・水により患部を冷やす方法があります。予防方法としては虫歯や歯周病にならないことはもちろんのこと、余計な刺激を歯に与えないようにするのが一番でしょう。
気づきにくいトンネル虫歯や歯髄炎。一度なってしまうと取り返しがつきません。定期検診や細部へのセルフケアでしっかりと予防に繋げていきましょう。