虫歯予防の基本は何と言っても歯磨きです。使用する歯磨き粉の有効成分で、虫歯予防に最も大切なのはフッ素ですが、それを活かした歯磨き法が注目されています。ただ歯磨きすればよいということではなく、配合されているフッ素の効果を最大限に引き出して、虫歯予防効果をしっかりと発揮させるという画期的なものですので、ここではその歯磨き方法について紹介してきましょう。
スウェーデンですすめられている「イエテボリ法」
イエテボリ法とは、歯科先進国とも言われるスウェーデンのイエテボリ大学ですすめられてきた歯磨き方法。フッ素が持つ虫歯予防効果を引き出す方法として注目されています。
この歯磨き方法の最大の特徴は、フッ素入りの歯磨き粉を大量につける点。歯ブラシに2cmほどしっかりとつけて磨くことです。歯磨き時間はおよそ2分で、強く磨きすぎないように注意しましょう。
優しく細かく磨いていくこと。ここまでは従来の歯磨きでもよく言われていることです。イエテボリ法と普通の歯磨きの大きな違いはうがいの仕方。普通の歯磨きではコップに注いだ水などでうがいを2~3回しますが、イエテボリ法では約10ml(口に少し含む程度)の水で30秒ほどブクブクうがいをするだけです(うがいはこの1回のみ)。
そして、歯磨きをした後は少なくとも2時間は飲食を控えるようにするのも、イエテボリ法の大きな特徴でしょう。
イエテボリ法において大量に歯磨き粉をつける理由
虫歯予防のためにフッ素は最も重要な成分と言ってもよいでしょう。簡単に言えば、フッ素を大量に口に含ませることで、その効果を最大限に引き出そうというのがイエテボリ法です。
口内にできるだけフッ素を留めておくために、歯にしっかりと行きわたるように時間をかけて磨くことで、歯全体にフッ素がたっぷりと付着します。もちろん、口をすすぐ水が極端に少ないのもフッ素をより多く口内に留めておくためです。
飲食を2時間控える理由は、フッ素の効果をなるべく持続させておくという目的があります。このようにイエテボリ法は、虫歯予防においてフッ素をどのようにしたらより効果的にできるかということを念頭に考案された歯磨き法です。
イエテボリ法の効果はどのくらいあるのか?他の応用方法は?
イエテボリ法と、通常の歯磨き方法ではどのくらい差があるのでしょうか?実際に比べたデータによると、通常の歯磨きでは予防しにくいと言われている、歯と歯の間の虫歯の予防率が26%まで上がったという報告があります。
最近の歯磨き粉は、フッ素を多く含んでいるものがたくさん出ています。なるべくフッ素濃度の高い(国内の市販品の場合は950ppm)製品を選んで実践してみましょう。前項でも紹介した通り、イエテボリ法は特に難しい方法ではないので、直ぐにでも試せる方法として注目されています。
他にもフッ素洗口やフッ素塗布など、直接歯にフッ素をつける方法もあり、応用した方法もおすすめです。
また、日本では行われていませんが「フロリデーション」と言われる方法も虫歯予防にとても効果があります。
これは、通常の水道水にフッ素を添加するというもので、WHOも推奨している方法です。虫歯の予防率は50~70%にまで上がるのが魅力ですが、大量に摂取すると害もあるフッ素を強制的に摂取することになるため、比較的セルフケアの進んでいる日本では現在行われていません。
(全世界で30か国が実施中です)
まとめ
フッ素は虫歯予防の観点からも重要な成分です。これをうまく歯に塗布していくことで、虫歯予防に大きな効果が発揮されます。
イエテボリ法をはじめとして、フッ素を応用した歯磨き方法をぜひとも試してみてください。