妊娠中は、ホルモンバランスの変化やつわりの影響で虫歯や歯周病が悪化しやすく、お口のトラブルが起きやすい時期です。妊婦さん自身の歯の健康はもちろん、妊娠中の歯周病は早産や低出生体重児のリスクを高めるともいわれており、適切なケアを行うことが推奨されています。
しかし、妊娠中の受診というのは何かと気を遣うものです。特に、歯科検診では歯科用CT・歯科用レントゲンによる検査を行うことがあります。「妊娠中なのに大丈夫なの?」と不安をもつ妊婦さんも少なくありません。ここでは、妊娠中の歯科用CT・歯科用レントゲンについて見ていきましょう。
歯科用CT・歯科用レントゲンってどんなもの?
歯科検診では「お口の中(口腔内)」の検査を行います。
「お口の中」とは、外から見える歯の部分に加え、歯の土台である歯槽骨など歯茎に埋まっている部分まで含まれており、それぞれが相互に支え合い、影響し合っています。こうした「歯周組織」の様子まで確認するために、歯科では、CTやレントゲン撮影を行うことがあります。
歯科医院に置かれているCT・レントゲンには、平面的に撮影するレントゲンのほか、立体的な3D画像で撮影できる歯科CTもあります。
どんなときに使う?
レントゲンやCTで撮影をすると、歯茎や骨に埋まった 部分まで確認することができます。より正確な診断を実現し、安全で確実な治療を助けてくれるのです。
身近な例では、親知らずの抜歯時に歯がどのような状態で埋まっているのか、どのように生えているのかを確認したいときなどに撮影します。ほかにも、歯周病の診断の際には、目に見えない歯の根っこの部分まで確認することができます。
妊婦さんでも大丈夫?
歯科用CT・歯科用レントゲンは一般的に、医科用CTに比べると放射線量も少ないものを使用しており、被ばく量自体、妊婦さんでも問題のない線量とされています。また、撮影をする部位もお口の中のみの局所的な照射です。腹部には専用エプロンをつけて撮影を行いますので、安心してご受診いただければと思います。