長い期間をかけて行った矯正治療。煩わしかったブラケット(歯に固定するワイヤー)が外れて、「矯正治療もやっと終わる…」と安心される方も多いと思います。しかし、矯正治療で重要なのは矯正装置が外れた後です。この部分を怠ってしまうと歯並びの後戻りなど悪影響が出てきてしまい矯正治療の意味が無くなってしまいます。今回はそんな矯正後に見られる歯並びの後戻りについて詳しくお話していきます。
一般的な矯正治療の方法とは?
一般的な矯正治療は「ブラケット(ワイヤー)矯正」と呼ばれ、歯に専用のワイヤーを固定しそのワイヤーの力で歯を綺麗に並べていくものです。最近では見た目にわかりにくいマウスピース矯正なども主流になってきています。
どの矯正方法にも矯正治療が終わった後に保定期間(装置を使い綺麗に並べた歯を安定させるもの)があります。これをしっかり行っていかないと歯は前の歯並びに戻ってしまい、せっかく長い時間費やした矯正治療の努力が無駄になってしまいます。
矯正した後の後戻り
矯正治療は歯に力を加え、歯を支えている骨「歯槽骨(しそうこつ)」を動かすことで歯を綺麗に並べていきます。長い間歯を固定していた矯正装置を外した後でも、歯を支えている歯槽骨はまだ安定していない状態のため自然に元の位置に戻ろうとします。これが矯正後の後戻りです。
この歯を支えている骨が安定していない期間をしっかりと安定させ綺麗な歯並びを保つためにも保定期間はとても重要なプロセスになり、その後の歯並びを大きく決めていきます。
後戻りを防ぐには
矯正装置が外れた後は、保定期間と言って専用の「保定装置(リテーナーとも呼ばれます)」を使用します。この保定装置は取り外しの出来るマウスピースのようなものから、歯に直接ワイヤーを固定するタイプのものなどその人によって変わってきます。
歯を支えている骨(歯槽骨)が安定するまではこの保定をしっかりと行っていく必要があります。歯科矯正は2年から3年かかると言われていますが、このうちの半分は保定期間になります。取り外しタイプの保定装置は自分で取り外せてしまうため、忘れがちになってしまいますが後戻りを防ぐためにもしっかりと使用するようにしましょう。
使用している保定装置と矯正後の歯の状況を確認してもらうためにも矯正を行った歯科医院での定期的なメンテナンスも重要です。保定装置は状況によって調整が必要になりますので、自己判断で歯科医院に通うのを辞めてしまい後戻りを起こしても戻すのは難しく、もう一度矯正装置をつけないといけなくなります。そうなれば費用も時間もかかりますので、ブラケットが外れた後もしっかりと歯科医院でのメンテナンスを受けましょう。
まとめ
いかがでしたか?一般に矯正治療と聞くとブラケットをつけているイメージがありますが、ブラケットが取れてからの保定期間がとても重要になります。キレイになった歯並びに満足してその後のケアを怠ってしまうと歯並びの後戻りを起こしてしまいせっかくの矯正治療が台無しになってしまいます。そうならないためにも保定期間のことをしっかりと頭に置き、定期的に歯科医院でメンテナンスを行いましょう。