歯の定期検診は3ヶ月毎がおすすめ!その理由と検診内容を知ろう

歯科医師と歯の定期検診をした患者様

武蔵小山駅から徒歩2分の歯医者「東海林歯科医院」の東海林です。

歯医者に行くのは歯が痛いときだけ、詰め物が取れてしまったときにしか行かないという方は少なくありません。もちろん、症状が出てから早めに治療することは重要ですが、最も大切なのは「病気を未然に防ぐこと」です。

定期検診は虫歯や歯周病などのトラブルを予防し、健康な状態を保つことに有効です。今回のコラムでは、定期検診を受けるメリット、定期検診の内容や通う頻度などについて解説します。

定期検診が必要な理由

ご自宅でのセルフケアは虫歯・歯周病予防の基本。歯科医師または歯科衛生士のアドバイス通りに歯磨きを実践できていればお口の中は清潔に保たれるでしょう。しかし、お口の状態は人それぞれ異なります。唾液の質や歯並び、ライフスタイル、食生活の好みなどによって虫歯・歯周病のリスクは変動します。

ご自身ではしっかり歯磨きをしているつもりでも、歯磨きだけでは60%程度しか汚れは落とせていません。磨き残しの歯垢は毎日蓄積されて、やがてトラブルの原因に。お口に残った歯垢は、唾液の成分によって石灰化して歯石へと変わります。そうなると歯ブラシでは除去できません。

歯垢や歯石などの歯の汚れは、歯科医院で専門の機械でしっかりとケアしてもらいましょう。歯垢や歯石が蓄積しないように定期的に検診を受けることが大切です。

定期検診のメリット

定期的に検診を受けるメリットは主に以下の4つです。

虫歯や歯周病を早期発見し、早期に治療ができる

定期的に検診を受けることで、虫歯や歯周病に罹患した場合でも早期に発見できます。早期発見ができれば小さな範囲を削るだけで済むため、歯へのダメージを最小限に抑えることが可能です。歯周病についても、早期に発見ができれば、歯石の除去や歯磨き方法を工夫するだけで症状を改善することができるでしょう。

健康な口内環境を維持できる

歯を失う原因の多くは、予防が可能な「虫歯」や「歯周病」です。つまり、虫歯や歯周病を未然に防ぐことで歯の寿命を伸ばせる可能性が高くなるのです。

定期検診では、セルフケアでは取り除けない歯垢や歯石を歯科医院専門の器具で除去し、歯の表面をフッ素が配合されたペーストでツルツルに磨きあげます。そうすることで歯石や歯垢が付着しにくくなり、結果的に虫歯や歯周病が進行しにくい口腔環境をつくることができます。

全身の健康に繋がる

歯周病は歯周病菌によって歯周組織に炎症を起こす感染症。この歯周病菌が血液に沿って全身に巡ることで全身疾患に影響を与えることが近年の研究によってわかってきました。歯周病はお口の病気に止まらず、心疾患や脳梗塞、糖尿病、早産などを引き起こす原因となると考えられています。

お口の健康と全身の健康は密接に関係しています。歯周病は定期的に検診を受け、ご自宅でのケアと専門的なクリーニングを受けることで予防できます。

時間や医療費を節約できる

歯の不調を感じてから歯医者に行く人にとって、なんでもないのに歯医者に通うのは時間も費用がかかるしもったいない、と思われるかもしれません。

しかし虫歯や歯周病が進行すると何度も通院が必要になり、時間も費用もかかります。また、一度虫歯や歯周病にかかると再発しやすく、その度にダメージを負ってしまいます。

定期検診は時間もコストもかかるため負担に感じるかもしれません。しかし実際は、年に数回のチェックで病気を防ぐことができるコスパのよい治療です。定期検診で病気を早く見つけて治療することがご自身の健康を守り、時間も費用も節約できることにも繋がります。

歯の定期検診の内容をチェック

歯の定期検診イメージ

歯科医院の定期検診では以下の内容を行います。

虫歯や歯周病のチェック

定期検診では、目診や触診による健康状態のチェックのほか、新たな虫歯が発生していないか、過去に治療した部分に虫歯が再発していないか、歯ぐきの炎症の状態や出血がないかどうかのチェックを行います。また、歯周ポケット測定して歯周病の発生や進行を確認します。

そのほか、口腔内写真やレントゲン・CTの撮影、歯垢の染め出しなどを行う場合もあります。

歯垢や歯石の除去

歯垢は歯磨きで簡単に落とせますが、歯石になってしまうとご自身では除去出来ません。定期検診では、ご自身では除去が難しい奥歯の歯垢やガチガチに固まってしまった歯石を歯科医院専用の機械できれいに除去します。

歯磨き指導

虫歯・歯周病予防の基本は歯磨きを中心としたセルフケアです。定期検診では、ご自宅で自分に合った予防を行えるように正しい歯磨き方法を指導します。自分にあった歯ブラシの選択や歯間ブラシ、デンタルフロスなどの補助道具を紹介し、使い方を指導することもあります。そのほか、喫煙の習慣や睡眠、完食の取り方など生活習慣の改善を含めたアドバイスを行う場合もあります。

フッ素塗布

フッ素には歯の再石灰化を促進し、歯質を強化して虫歯の発生を防ぐ働きがあります。歯科医院専用のフッ素は市販のものと比較して濃度が高いため、3ヶ月に1度の塗布がおすすめです。

フッ素を塗布に加えて、ご自宅でのセルフケアにフッ素入りの歯磨き粉を使用することで、より効果的な虫歯予防が可能になります。

定期検診に通う頻度

年に1回、病院で健康診断を受ける方は多いと思います。しかし、歯科検診は年に1回だと少ないです。なぜなら、虫歯や歯周病は進行が早いため、1年間も放置しておくと重症化する可能性があるからです。

歯科医院での定期検診は3〜6ヶ月に1回が一般的です。少なくとも年に2回、できれば3〜4ヶ月に1回のペースで定期検診を受けることが望ましいです。そうすることで、虫歯や歯周病をはじめとしたお口のトラブルを発見しやすくなり、早期治療が可能になります。

お口の状態や年齢などにもよりますが、虫歯や歯周病のリスクが高い方はもう少し短い間隔での受診が理想です。歯周病の状態によっては、1〜2ヶ月に1回のペースで通院が必要な場合もあります。担当の歯科医師または歯科衛生士と相談して通院頻度を決定してください。

定期検診の費用はいくら

定期検診の費用は、健康保険の種類や自治体、または歯科医院によっても異なります。健康保険(3割負担)が適用されたと仮定すると、おおよそ2,500円〜4,000円となります。

なお、検査の目的や検診内容によっては健康保険の適用外(自由診療)となり、1回あたり5,000円〜10,000円程度になる場合もあります。

毎日のセルフケアと定期的な歯科検診でお口の健康を守りましょう

歯科検診では虫歯や歯周病に加え、噛み合わせや歯並び、顎の関節や骨の状態など、口腔内のさまざまなトラブルを確認することができます。そのため、万が一トラブルが起こっても早期治療が可能になるため大事には至りません。

お口の状態や年齢にもよりますが、定期検診の頻度における目安は3ヶ月に1回です。適切な頻度で通院していただくことで高い予防効果を得られます。生涯、ご自身の歯でおいしく食事をとるためにも、定期的に歯科医院へ通うことをおすすめします。