虫歯になりやすい人、なりにくい人には原因があった!虫歯と唾液の関係

私たちは毎日虫歯や歯周病にならないように1日2~3回歯磨きをしています。でも頑張って歯磨きをしているのに虫歯になってしまう人と歯磨きも適当で、それほど歯のケアに力を入れていなくても虫歯にならない人がいます。いったい何が違うのでしょうか。虫歯になりやすい人には原因があるようです。その原因さえ取り除くことができれば、虫歯になりにくくできるでしょう。意外と簡単なことなので、参考にしてみてください。

虫歯になりやすい人の条件とは?

虫歯になりやすい人となりにくい人がいますが、それは何が違うのでしょうか。生まれつき歯が丈夫であるとか、免疫力が高く体が丈夫であるなどの遺伝も多少関係していますが、それだけではなく唾液の分泌量や噛みあわせ、生活習慣による口の中の環境の違いが関係しています。

虫歯は虫歯菌の感染で引き起こされる感染症です。虫歯菌の感染は親から子への箸やスプーンの共有で起こることがほとんどなので、離乳食や幼児食の時に子供用の食事を別にせずに親から同じ箸を使って食べさせてもらっていた人などは感染していると言えます。虫歯菌は1歳半から3歳頃までに定着すると言われているので、3歳までの食事のとり方で決まってくるのです。

また、よく噛んで食べているかどうかも関係しています。よくかんで食べている人は唾液の分泌が多いため、虫歯になりにくくなります。すなわち、あまり食事の時に噛まない人は唾液の分泌が不十分となるので、虫歯になりやすくなるのです。さらに、噛み合わせのバランスが崩れている人も唾液が少なくなることがあります。噛み合わせのバランスが崩れると口が閉じにくくなり、常に口が開いている口呼吸となることで口の中が乾きやすい状態となるためです。

その他にも食事や間食の回数が多い人、ちょこちょこと食べ物をつまんでいるような人は常に歯が糖にさらされている状態となり、虫歯になりやすくなります。

虫歯と唾液にはどのような関係があるの?

唾液の分泌が多い人は虫歯になりにくいと前述しました。では唾液と虫歯にはどのような関係があるのでしょうか。また唾液にはどのような働きがあるのでしょうか。

虫歯菌は口の中に残る糖を分解して酸を出し、その酸が歯を溶かしますが、唾液はアルカリ性なので、虫歯菌が出す酸を中和します。口の中が酸性から中性になることで虫歯になりにくくなります。しかも虫歯菌は環境が酸性でなくなると活動しにくくなりますし、たくさんの唾液で食べかすも流されるため、唾液の分泌が多い人は虫歯になりにくいのです。

さらに唾液にはカルシウムやリンなどが含まれており、歯の再石灰化を促す働きもありますので、溶け始めた歯を修復し元に戻そうとする働きで虫歯を防いでいます。唾液の分泌が減るとこの再石灰化が行われなくなり、口の中に汚れもたまりやすくなるため虫歯になりやすくなります。

また唾液の中には免疫細胞や抗菌作用のある酵素が含まれており、歯や口の粘膜を守る働きもあります。もともとの食物を消化するという働きに加え、口の中を潤し外からの菌の侵入を防ぐなど、唾液にはたくさんの働きが備わっています。私たちは唾液のおかげで口の中も体も正常に保つことができるのです。

虫歯予防のために唾液の分泌を増やすには?

虫歯予防をするには唾液の分泌が欠かせないことがわかりましたが、唾液の分泌を増やすにはどうしたらよいでしょうか。

唾液は口の周りの唾液腺から分泌されています。この唾液腺は噛むことやしゃべることで刺激されて唾液を分泌するので、よく噛んだりよくしゃべったりする人は唾液の分泌が多くなります。食事の時はよく噛んで食べるようにすると唾液の分泌が増えます。よく噛むことは食物をしっかり消化し、飲みこみやすくする効果もあるので、毎日の食事では気をつけたいものですね。

また、唾液はリラックスしている時に分泌されやすくなります。リラックスしている時は自律神経の副交感神経が優位に働いている状態ですが、緊張したりストレスがかかると交感神経が優位となり、唾液の分泌が抑えられてしまいます。唾液をしっかり分泌させるに1日1度は緊張をほぐし、リラックスする時間を取るようにしましょう。

ゆっくりよく噛んで食事をする時間がない時など、唾液の分泌が少なくなりそうな時はガムを噛み、唾液腺を刺激するのがいいでしょう。また、耳の前あたりや顎の内側に唾液腺があるので、痛くない程度に指圧するのもいいようです。

 

今回は虫歯と唾液の関係についてお伝えしました。唾液の分泌を増やすにはよく噛んだりマッサージをしたり、といった日常生活にも簡単に取り入れられることばかりなので、心がけていきたいですね。