虫歯の治療は変色する前に!抜かない・削らない虫歯治療

虫歯の進行と初期虫歯

虫歯は虫歯菌が生産する酸によって歯が溶かされ穴が開く病気です。歯の表面から溶け始め、進行するにつれて歯の内部まで溶かされます。具体的に言うと、最初は歯の表面のエナメル質が溶け(C1)→象牙質(C2)→歯髄(C3)→最終的には歯が崩壊し根っこだけになります(C4)。

初期虫歯(C0)は、C1の一つ手前の状態で厳密に言うと虫歯ではありません。エナメル質の表面が「脱灰」された状態です。脱灰とは歯のミネラル分が溶け出した状態で、歯の表面に白斑・白濁ができます。この状態が続くとC1になります。C1になると白斑・白濁が黒や茶色の点に変わります。

初期虫歯の治療法

初期虫歯には、削って詰め物をする治療は行いません。溶け出したミネラル分を補うことができれば初期虫歯は治ります。溶け出したミネラル分を補うことを「再石灰化」と言います。

再石灰化を促す治療には、歯のクリーニングとフッ素塗布があります。
歯のクリーニングでは虫歯菌の住処である歯垢・歯石をきれいに除去します。
フッ素塗布には、再石灰化を促す効果・歯質を強くする効果・虫歯菌の働きを弱めて酸の生産を抑える効果があります。

早期発見、治療のためにできること

虫歯は初期虫歯の段階で発見できれば、歯を削らず・抜かずに治療ができます。しかし、初期虫歯は痛みがなく、いつどこにできるかわからない白斑・白濁を見逃す可能性もあり、自分で発見するのは難しいかもしれません。

予防歯科は、虫歯などの病気になりにくい口内環境を整え、その良い状態を保つことに重点を置いています。痛みや違和感が出てからの受診は治療や費用の規模が大きくなりやすく、患者さんにも歯にも負担がかかります。しかし、定期的に予防歯科を行っていれば病気になりにくく、万が一虫歯などになっても自覚症状がない早期の段階で発見・治療ができます。

予防歯科では、歯のクリーニングやフッ素塗布、ブラッシング指導を行っています。予防の基本は毎日の歯のお手入れですが、磨き残した歯垢・歯石の除去や虫歯に強い歯をつくるフッ素塗布、磨き残しの多い部分のブラッシング方法をお伝えすることで口内環境を整えやすくするお手伝いをすることが予防歯科の役割です。